Hibワクチンはインフルエンザ菌による細菌性髄膜炎を
予防するワクチンです。WHOの推奨もあり現在は世界
100カ国以上で導入され、多くの国では定期接種に組み
込まれ公費で接種されています。日本では平成20年
12月19に発売され、任意接種(自費)で接種ができる
ようになりました。
Hibは「ヒブ」と読みます。ヘモフィルス・インフルエンザb
型菌(Haemophilus influenzae type b)という細菌の略語で、
頭文字をとってHibと記します。小児ではHibによる細菌
性髄膜炎がその病状の重さから問題になっています。
冬に流行するインフルエンザとは全く異なります。インフ
ルエンザはウイルスで、Hib(インフルエンザ菌b型)は細
菌です。
Hibの名前の由来は、ウイルスの検査ができなかった頃、
インフルエンザ(流感)の患者さんから見つかり、当時で、
インフルエンザの原因菌と考えられたためこのような名前
がつきました。
Hib髄膜炎とはHib(ヘモフィルス・インフルエンザb型菌)
による細菌性髄膜炎のことです。
細菌性髄膜炎は以前は脳膜炎といわれ、脊髄や脳を守る
膜(髄膜)に細菌が感染し、発熱・嘔吐・頭痛(不機嫌)など
を主な症状とする重篤な病気です。死に至ることも多く、生
存し得ても様々な後遺症を残す可能性がある怖い病気です。
6割がHib,3割が肺炎球菌が原因です。年間1000人の子ど
もが罹患し、5%が死亡、25%が後遺症を残すといわれて
います。その中でも、Hibによる髄膜炎は病状が重く後遺症
を残す頻度も高いことで知られています。罹りやすい年齢は
0歳(生後4ヶ月頃)から2歳までです。4歳を超えると罹患
率は減ってきます。
定期接種としてインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンを接種
しているアメリカでは、ワクチン導入前は、5歳未満人口10
万人あたり年間25人といわれたインフルエンザ菌b型(Hib)
髄膜炎の発症数が、ワクチン導入後はほぼ0になりました。
非常に有効性の高いワクチンと考えられており、WHOでも
定期接種を行うことを推奨しています。
Hib(インフルエンザ菌b型)ワクチンは、2ヶ月から接種する
お子さんには3回+1年後に1回、合計4回接種します。
ジフテリア・破傷風・百日咳三種混合ワクチン(DTP)と同じ
スケジュールです。DTPとHibを両方接種すると、接種回数
が多くなり接種しにくくなるため、外国ではDTPとHibは同じ
日に同時接種されています。
今回日本で導入されるHibワクチンは日本で初めて同時接
種が認められたワクチンです。
また、Hibワクチンは接種を開始する年齢によって接種回数
が異なるのが特徴です。
2ヶ月以上7ヶ月未満・・初回3回+追加1回
7ヶ月以上 1歳未満・・初回2回+追加1回
1歳以上 5歳未満・・1回のみ
簡単にまとめると、Hibワクチンの副反応は、半分くらいの人
は接種部位が赤くなり、5人に1人は腫れ・しこりが見られます。
また、50人に1人は熱が出ます。更に、予防接種ですから当
然、特異体質の方はショックなどの重い副作用が予想されま
すが、まれです。
Hibワクチンは世界120カ国以上で公費による定期接種と
して接種されていますが、日本では導入当初は任意接種と
して開始されます。そのため、自費で接種しなくてはなりません。
今後、わが国でもワクチン接種により確実にHib髄膜炎が減
少することが実証されれば、いつの日か定期接種に組み入
れられる事になるでしょう。
厚労省では定期接種に向けてワクチンの有用性などを検討
する研究班の設置を予定しています。
(小泉重田小児科HPを参考にしました)
接種計画、費用などについての詳細は各医療機関にお問い
合わせください。
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