ノロウイルスによる感染性胃腸炎（いわゆる嘔吐下痢症）が大ブレイク

　　　　　　　　　　　　　　　した昨年末でした。私が医師になってこれ程までの流行は経験したこと

　　　　　　　　　　　　　　　がありません。牡蠣（かき）などの２枚貝が原因になっていると報道され

　　　　　　　　　　　　　　　たものですから牡蠣が売れず、牡蠣養殖業者が風評被害の救済を求

　　　　　　　　　　　　　　　めている報道シーンが印象的でした。

　　　　　　　　　　　　　　　実際には患者さんの嘔吐物や排泄物からのウイルス蔓延が最大の原

　　　　　　　　　　　　　　　因です。治療は脱水の改善が主になります。県内では小児の死亡例は

　　　　　　　　　　　　　　　ありませんでしたが、数名の高齢者が亡くなりました。殆んどが嘔吐した

　　　　　　　　　　　　　　　ものを誤嚥したことによる肺炎が原因だろうといわれています。例年です

　　　　　　　　　　　　　　　と２月頃からはノロウイルスに替わってロタウイルスによる感染性胃腸炎

　　　　　　　　　　　　　　　が流行してきますので、これからも引き続き注意が必要です。

　　　　　　　　　　　　　　　細菌性髄膜炎の主な原因であるインフルエンザ菌b型（Hib、ヒブ）に対す

　　　　　　　　　　　　　　　るワクチン（商品名アクトビブ）が今月下旬にも承認される見通しになりま

　　　　　　　　　　　　　　　した。細菌性髄膜炎の６割がHibが原因とされています。これから流行す

　　　　　　　　　　　　　　　るインフルエンザとは異なりますので、ご注意ください。５歳未満の乳幼児

　　　　　　　　　　　　　　　の１万人に１人がこの菌による髄膜炎に罹ると推定されており、重症化し

　　　　　　　　　　　　　　　やすいのが特徴です（死亡率５％）。承認されることは喜ばしいのですが、

　　　　　　　　　　　　　　　計４回の接種が必要なこのワクチンは水疱瘡やおたふく風邪のワクチン

　　　　　　　　　　　　　　　と同様、当面任意接種となり、計３万円程の自己負担が必要になります。

　　　　　　　　　　　　　　　日本小児科学会をはじめ、日本小児科医会などから、自己負担が必要

　　　　　　　　　　　　　　　のない定期接種にするように働きかける必要がありそうです。

　　　　　　　　　　　　　　　今年もいろんな情報を発信していきます。リクエストがありましたら、保育園

　　　　　　　　　　　　　　　までご連絡ください。