2010年1月「感染性胃腸炎」

久万高原町では感染性胃腸炎(いわゆる嘔吐下痢症)が流行しています。
 1〜2日間の潜伏期間を経て、典型的には、吐気・おう吐、下痢・腹痛、37℃台の発熱がみら
れます(症状の程度には個人差があります)。ノロウイルスを原因とする場合、症状が続く期間
は1〜2日と短期間ですが、ロタウイルスを原因とする場合は5〜6日持続することもあります。ま
た、ロタウイルスによる感染性胃腸炎の場合、便が白色になることもあります。
 
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、ヒトからヒトへの感染と、汚染した食品を介しておこる食
中毒に分けられ、次のような感染経路があります。 
1.感染した人の便や吐物に触れた手指を介してノロウイルスが口に入った場合 
2.便や吐物が乾燥して、細かな塵と舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んだ
場合 
3.感染した人が十分に手を洗わず調理した食品を食べた場合 
4.ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理
で食べた場合 

ウイルスを原因とする感染性胃腸炎への特別な治療法はなく、つらい症状を軽減するための
処置(対症療法)が行われます。乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがあ
りますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤嚥(嘔吐物が気管に
入る)により肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。嘔吐の症状がおさま
ったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけま
しょう。

1.最も大切なのは手を洗うことです。特に排便後、また調理や食事の前には石けんと流水で十
分に手を洗いましょう。 
2.便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水
で十分に手を洗いましょう。塩素系の消毒剤が有効です。
3.カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85℃1分
以上の加熱が必要です) 
"(※)ノロウイルスは、100個以下の少ない量でも感染が成立する、感染力の強いウイルスで
す。症状のある人の便や吐物には、大量のノロウイルス(便1g中に1億個以上、吐物1g中に
100万個以上)が含まれているので、扱う場合には十分な注意が必要です 

学校保健安全法では、出席停止について特に明記された疾患ではありません。登園・登校の
判断については、嘔吐・下痢がおさまるなど、患者さん本人の体調によって判断することが望
ましいといえます。
 症状が消失した後も、約1週間は便の中にウイルスが排出される可能性があるため、登校後
も手洗いを励行することが大切です。

  (参考資料:東京都感染症情報センター)