2008年5月 「百日咳」

  現在久万高原町、特に旧久万地区で百日咳が流行しています。
  百日咳は子どもの病気と思われやすいのですが、成人でも感染
  することがあります。

  百日咳は特有な咳発作(レプリーゼといいます)を起こす気道感
  染症です。お母さんから胎盤を通しての免疫が移行しないため、
  乳児期早期からかかることがあります。1歳以下、特に6ヶ月以下
  の乳児では死に至ることもあり、注意が必要です。3種混合ワクチ
  ン(DPT)は殆んどの子どもが受けていますが、接種を受けても年
  齢とともに次第に免疫力が低下して、感染する場合があります。
  百日咳に感染した成人から、ワクチンを接種する前の乳児にうつさ
  ないようにすることが大切です。3種混合ワクチンを早めに受けるこ
  とも必要です。

  潜伏期間は約1〜2週間とされています。

  経過は次の3期に分けられます。
  カタル期:鼻水や咳など普通の風邪症状ですが、次第に咳が強く
  なります。 

  痙咳期(けいがいき):短い咳をコンコン・・・と続けた後、ヒューッと
  息を吸い込みます。これを繰り返します。特に夜間に多くみられます。
  新生児や乳児はこのような特有の咳がみられず、突然呼吸を停止
  したりすることがあり、注意を要します。肺炎など合併症を伴わなけ
  れば発熱はみられません。約4〜6週間続きます。

  回復期:咳の程度も頻度も軽くなります。治るまでに約3ヶ月を要します。
  1年位は風邪を引くと咳が強くみられます。

  診断は特有の症状、百日咳菌の検出(鼻粘膜などから)、血液検査
  などで行ないます。

  学校保健法では、出席停止は特有の咳が消えるまでとなっています。
  保育園ではワクチンを受ける前の乳幼児も多いため、正確な診断と十分
  な治療が必要です。概ね治療を開始して1週間は登園は控えましょう。