2007年2月 「小児の生活習慣病」


                 最近メタボリックシンドロームという言葉をよく耳にしますね。
                 これは肥満の人が高血圧、高脂血症、糖尿病を合併すると、
                 単独の病気の時よりも数倍も動脈硬化になりやすく、その結
                 果心筋梗塞や脳血管障害(脳卒中)で死亡する確率が高くな
                 るということです。

                 動脈硬化はいつ頃からはじまるのでしょう。いろんな病気で亡
                 くなった子どもの解剖の結果、10歳頃(小学4・5年生)の90〜
                 100%に脂肪線状という動脈硬化の初期病変がみられることが
                 分かりました。動脈硬化は大人になってからの病気ではなく、
                 子どものころにその基礎ができていることを証明してくれる結果
                 です。

                 大人と異なり、小児においては、高血圧や糖尿病よりも肥満と
                 高脂血症がもっとも生活習慣病に関連が深いといわれています。
                 今では乳幼児期からの肥満でも、からだに悪影響をもたらすこと
                 が証明されています。乳幼児期肥満の50%が学童期肥満に移
                 行するといわれます。学童期では8才頃から肥満が増加しはじめ、
                 12才頃ピークを迎え、その80%が成人肥満になるといわれてい
                 ます。

                 肥満児の食生活をみますと、朝食を食べない、まとめ食い・早食
                 いをする、食事を決まった時間にとらず、食べたい時にコンビニ
                 のおにぎりやカップ麺を食べる、油や糖分の多いからあげやお菓
                 子をよく食べる、野菜が少ないなどの特徴があります。肥満を防ぎ
                 治療するためには家族が、その中でもお母さんが中心となって、
                 食事や運動についての意識を高める必要がありますね。

              「小児肥満治療の基本の約束」(神奈川県予防医学協会 朝山光太郎
医師)
                   1.毎日 1人分を盛り付けて食べ始める。
                   2.1日3食、食卓で食べる。
                   3.食品の大体のカロリーを目分量で知っておく。
                   4.給食の牛乳(200ML)以外はノンカロリー飲料。
                   5.パンには何もぬらない。サラダにはなにもかけない。
                    (バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、ジャム、アメ、
                     チョコレートなどは食べない。) 
                   6.テレビゲームは一人で自分の家で。
                   7.体重計測は週に1回朝に。